間接金融から直接金融へと移行しつつあります。
直接金融のメリットを詳しく紹介します。

間接金融から直接金融へのメリット
間接金融から直接金融へ
間接金融とは銀行から借り入れることをいいます。しかし最近ではこの間接金融を嫌って中小企業にも直接金融の社債発行が広がってきていますね。間接金融のに頼っていると、間接金融先である銀行が貸し渋りや貸し剥がしをすればたちまち資金繰りに行き詰ってしまうからです。間接金融を嫌って、資金調達を金融機関のみに頼らない直接金融の時代に入りつつあるようですよ。

最近、中小企業の間でも間接金融である、金融機関からの借入以外に、資金調達を行っている会社が増えているように感じます。間接金融といわれる金融機関からの借入で資金調達をしなくても、直接金融により株式市場からの資金調達が可能となってきました。それにより、金融機関は今、一斉に中小企業市場を攻めようとしています。そこで今注目されるのが、間接金融でない直接金融となる社債なのです。

資金調達には、直接金融と間接金融があります。社債はちょうどその中間に位置します。どちらかといえば、直接金融となる中小企業の社債の活用法についてお伝えしたいと思います。中小企業が利用できる直接金融の社債は大きく4
現在、中小企業が利用できる社債は大きく以下の4つにまとめられます。
1. 少人数私募債
2. 信用保証協会の保証による社債
3. 金融機関の引受けによる社債
4. 社債担保証券

このうち、23については社債の引受人が金融機関となり、間接金融の融資とあまり変わらないというのが実態ですが、今回中小企業が利用すべきものとしてぜひご紹介したいのが、直接金融の中で1の少人数私募債と4の社債担保証券なのです。では、まず直接金融の少人数私募債についてご紹介します。

直接金融の少人数私募債
間接金融を嫌って行われる、直接金融の少人数私募債とは、一般的に社債の引受人が社長の親戚、知人や会社の取引先等に限られている社債で、直接金融である社債の発行金額が1億円未満かつ社債の引受人が50名未満のものをいいます。この条件を満たしていると、直接金融の社債の発行に際して、官公庁等への届出が全く不要になります。取締役会決議だけで直接金融の社債が発行できるようになるのです。多少の書類作成は必要ですが、コストもほとんどかかりません。間接金融を嫌う人には最も手軽な方法ですね。

借入金を間接金融から直接金融の少人数私募債に変えよう
この直接金融の少人数私募債の最大のメリットは、中小企業の節税に使えるという点です。具体例で説明してみます。借入金が5,000万円で社長の年間報酬が3,000万円というケースを考えてみます。この場合に借入金の代わりに、間接金融ではなく直接金融で利率5%で直接金融の少人数私募債を発行すると仮定します。

この場合、利息を受け取る個人側では、この収入は利子所得として一律20%で課税されますので、かかってくる税金(所得税+住民税)は250万円×20%=50万円になります。

これを同じ収入でも直接金融での社債利息ではなく、間接金融である貸付金利息として受け取った場合には、雑所得として給与所得と合算されて税金が計算されます。従って、かかってくる税金は250万円×40%(概算)=100万円にもなるのです。同じ利息でも、間接金融と比べて直接金融の社債利息として受け取った方が約50万円も税金が有利になるのです。

直接金融である私募債のメリット
間接金融の借入金を直接金融の少人数私募債に変えるメリットはまだあります。決算書の上でも、間接金融の借入金が直接金融の社債として表示されるため、金融機関の評価もアップするはずです。まだまだ直接金融の少人数私募債を発行している中小企業は少ないため、金融機関へのアピールができると思います。

今後注目される直接金融の社債担保証券(CBO)
間接金融を嫌って、直接金融へ移行したいと思っている方にお知らせです。もう1つこれからの中小企業の資金調達手段の1つとして、是非知っておいて頂きたいのが直接金融の「社債担保証券(CBO)」と呼ばれるものです。

これは中小企業が発行する直接金融の社債を束ねて証券化し、一般投資家に販売する手法のことです。自社だけでは一般投資家から資金調達ができない場合でも、直接金融の社債担保証券であればそれが可能になります。最近では、それを専門に扱う新しい証券会社も現れています。

この直接金融の社債のメリットは、完全に無担保、無保証である点と満期一括償還であるため、間接金融の借入金と違い毎月の返済が不要である点にあります。逆に直接金融のコストは少々割高で、一定の財務格付以上であることが要求されますが、長期の安定資金の調達先として、直接金融は選択の余地は充分にあります。将来上場を目指す企業であれば、上場前のワンステップとして、一般投資家から間接金融ではなく直接金融で資金を調達する良い機会になります。

アメリカでは、資金調達手段に占める直接金融の社債の割合が日本よりも格段に高いといわれます。今後、日本でもこれまで以上に間接金融を嫌って直接金融の社債が重要な位置を占めるようになっていくでしょう。それは中小企業とて例外ではありません。このCBOが、まさに中小企業金融の大きな分岐点になるのかもしれません。





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